ブルース
LPレコード
32. Story Of The Blues (CBS)
【 ブルースの歴史 】
ジャズにのめりこむ前はギターを弾いてて、ブルースにあこがれてた。
古井戸の「750円のブルース」みたいなの。それから、いろんな音楽がブルースが元になっているのを知った。
ジャズを聴くようになっても、「このJazzには、ブルースがある(ない)」という言い方をしょっちゅう耳にし、先輩にも古いブルースを聴かないとジャズにならんぞ!と怒られたもんだった。
中学のころから、夜が好きで、黒っぽいものにあこがれ、音楽もそう。
大枚たいて買った2枚組のこのブルースの歴史を聴けるアルバムは、ほんとに貴重な音源が入っている。
なんと黒人音楽のルーツである、アフリカの歌からスタートするのだ。そしてアメリカにやってきて、南部の奴隷たちのワークソングからブルースのすばらしい古典、ミシシッピのデルタブルース、カントリーブルース、、そして、川を上ってシカゴ、ニューヨークの都会の音楽へと発展していく過程が、感動的にStoryのように続くのだ。
マイルスがエレクトリックになろうがファンクになろうが、マイルスは「いいか悪いか、モノホンかどうかは、、ブルースがあるかどうかだろ?」と言ってるような気がする。そのルーツや答えがこのLPの中にある。ブルースを聴くと、大事なことを見極める力をつけ、偏見を捨てることなどができる気がする。
そしてもうひとつ、憧れのブルースのレコード、3枚組で箱に入ったやつがあった。
「Blues 1927-1946」
「RCAブルースの古典」 40年たってやっとCDで買えた。
ジャズ喫茶と同じように、「神経質な鶏」「Gee」「Bessie」 とかブルース喫茶や酒場もあった。いろんなこと教わった(マスターの梶原さん)。
まっすぐで武骨な男たちが集い、ジャズ喫茶とはまたちがうすてきな場所なのだ。
新聞
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31. 北海道新聞タウン欄 (1984.3.14.)
【 1984年 豊口健コンサート / 教育文化会館 】
学生なのに勉強は熱心にやらずに、ジャズばっかりやってたやばい証拠。
実家の古い棚の引き出しから出てきました、、。 このコンサートをさせていただいたときはもう家出してる最中だったのに、おふくろがスクラップしてた。。
ろくにピアノも弾けず世間知らずなおれに、当時&いまもお世話になっているZippy Soundの高田さんが企画してくれました。
飲み屋をまわってチラシ配りや、チケット置かせていただいたり、電柱にポスターくくりつけたり、、寝ないで何でもやってた。そうして仲間と飲んでばかりいたんだけどね、なつかしい。
ピアノ弾くことしか頭にない毎日だから、なにも怖いものはないという、一生でいちばん怖い(危い)自分だった。世の中や業界の何もわからず、いろんな人に、いろんな無礼を重ねた時代と思う。先輩からもずいぶんヤキが入りましたが感謝してます;;
生意気で無謀なことでしたが、でも、職業とか生きるって何か真剣に考えていたし生きるのに夢中だったと思うし、充実感があってとても楽しかったかな。
じじぃになった今、人生どっちに行ったらいいかわからないけど自分を自分で何とかしたいエネルギーある若者を見ると、ちょろいじゃんと感じながらも、信じた通りに進んでみれよ、やれーやれーと、心の中では応援してる。
だって、進んでみないとわからないよね。 誠実は大人は、無茶する若者でも誠実なエネルギーがあるだけで、ゆるして応援できる。若者の心は地球の未来の源、なくしてはならない大事な財産。
Jazz
LPレコード
30. Night Song / Ahmad Jamal (1980 米 Motown)
【 ナイトソング / アーマッド・ジャマル 】
ずっと最高に尊敬している大好きなピアニスト、アーマッドジャマル。
マイルスが1940-50年代に、音楽のヒントを与えられたというエピソードでも有名なピアニストだ。アーマッドジャマルのレコードなんて、'80年代まで札幌ではほとんど手に入らなかった。
名盤の誉れ高いPersingラウンジのライブ盤↓は、国内でも廃盤の誉れ高く?? いつもいつの間にかなくなって、手に入れるのに7-8年かかったっけ。幻の名盤と昔よく言ったが、当時こいつは自分にとっていちばんの幻のレコードだった。
「But Not For Me (1958 Argo盤)」
輸入レコード屋さんでやっとこ手に入れた他のジャマルのアルバムは数枚持っていた。浪花節にならないクールで硬派な演奏は、いつも端正で、間を生かしたアレンジも他にはない独特のもので、ほんとに個性的だった。
なかなか盛り上がらなくてイライラしはじめたら、そのあとで、がつーん!みたいな予想できない編曲にやられる。
日本人の感覚から最も遠い感覚のジャズかもしれない、と思ったこともあった。音が硬く乾いてるかんじ。
でも、ジャマルの演奏する素材(曲)はいつもとても親しみやすいスタンダード曲のオンパレードなのだ。そして世界のどこでも聴けないふうに料理をされる。
'80年代、ジャズ界はフュージョンとかクロスオーバーの嵐が吹き荒れ、ロックやソウルにも聴こえるジャズがたくさんできた。そして商業的という言葉と無縁に聴こえるこの孤高のピアニストが、モータウンからフュージョンアルバムを出した!
それがこの「 Night Song 」、これは輸入盤だけど、ジャマルにはめずらしく国内盤も出た(笑、むかしレコードは売れそうなものしか国内盤は出なかった)。
多彩なアレンジでエレクトリックピアノピも駆使して、新しいポップチューンを演奏するこのアルバムは、ジャマルの硬いピアノの音色が美しいメロディをとことん生かすことで、とびきりのやさしさに輝く、、。これは、'40年代末からスタンダード曲を演奏するいつものジャマルマジックと何ら変わりはない。スタンダードってポップなんだ。
このレコーディングのあと、その反動のようにジャマルはあまり親しみやすくはないオリジナル曲もたくさん演奏するようになり、シンボルマークの「間(ま)」に、弾きまくるピアノを織り交ぜて新境地を開き、硬い音に磨きをかけていく。
ラジオ
29. SONY / ICF-5900 (1975)
【 ソニー BCLラジオ / スカイセンサー5900 】
15歳のとき、世の中は BCL というラジオの大ブームがあった(1970年代後半)。
Broad Casting Listening 高性能の短波ラジオで世界中のラジオ番組を聴くという少年らしい趣味だ。
夜になれば、世界中から飛んでくる英語の番組や、海外から日本に発信される日本語放送の電波を雑音にまみれながらキャッチするのは、ほんとうにわくわくしたものだった。
ジャズに興味を持ち始めていた自分がターゲットにしたのは、アメリカのジャズ番組。本場アメリカの VOA(Voice Of America) という放送で毎日夜9時から「A列車で行こう」で始まるジャズの番組 Jazz Hour があった。ウィリス・コノヴァーという名物アナウンサーがとてもゆっくりしゃべってくれるので中学生の自分にも、メンバーやアルバム名が聴き取れた。ラジオでジャズを勉強した時代がなつかしい。
ガーガーピーピー、時々聴こえなくなります。インターネットでラジオが聴ける現代からは想像できないでしょうが、今海外からの電波をキャッチしてるこのホンモノ感はほんとうに興奮して、アメリカの夜空に夢を描いていました。
←日本が誇るまだ現役のすばらしい短波ラジオ
VIDEO VOA「Jazz Hour」のオープニング
Jazz
LPレコード
28. Brilliant Corners / Thelonious Monk (1956 米 Riverside)
【 ブリリアントコーナーズ / セロニアス・モンク 】
昔は街にはレコード屋さんがたくさんあった。酔客あふれるすすきのの一隅でレコード屋を営んでいた親戚のおじさんがいました。ときどき電話で番号を言ってレコードを取り寄せてもらったけど、少し割引してくれた。でもいつも割引してたら商売にはならないんだ、ということを教えてくれたりした尊敬するおじさんだった。
ジャズ聴き始めの頃、父がすすきのに出ていたのだろうか、おじさんから電話がかかって来て「おやじが一枚買ってやると言ってるから、店にあるのから選べ」というので、普段絶対ありえないことに歓喜した。父は飲んでいたのかな。おじさんがお店にある少ない何枚かのジャズのレコードとアーティストの名前を挙げてくれたので、即決めしたレコード。「モンク!(ジャズピアノの神様じゃないか)それ!」
しかし、このレコードを好きになるのには時間がかかった。実は初めて聴いたとき、ちょっと気分といか体調が悪くなったのだ。メロディも和音も、変!しばらく何がいいのかわからず、美しいとも思えなかった。そしてとにかく強烈。特にA面B面のそれぞれ最初の曲「ブリリアントコーナーズ」とニカ夫人に捧げられた「パノニカ」。女の人にこんな変わった曲を捧げて喜ぶのかと思ったもんだ。
むかしはレコードはレコード屋で試聴してから買ったものだ。こづかいも少ないし、なけなしの金をはたいて買っていたからな。当時、このレコードを試聴したら絶対買わなかっただろうな。でも父が買ってきたものだから友だちに譲ることもなく大事に所有していた。そしてたびたび聴くごとにこのLPのすごさがだんだんわかってきた。モンク一世一代の大名盤であった。すべてがジャズらしくすばらしい。
そして、このレコードがすすきののおじさんの店に並んでいたということがすごい。今、札幌のどのCDショップにもジャズのこういうのは置いていないかもしれない。
モンク(p)マックスローチ(ds)オスカーペティフォード(b)ソニーロリンズ(ts)アーニーヘンリー(as)Pチェンバース(b)
シャンソン
カンツォーネ
LPレコード
27. 夢ものがたり / 松宮一葉 (1983 R7)
【 夢ものがたり La Voglia Di Sognare / 松宮一葉 】
ときどきシャンソンの仕事もしてきました。大好きです。ジャズにはない匂いのする美しい曲も多くて、その出会いはとてもわくわくするものです。
これは絶対に手に入らないと思っていたLPレコード、2012年インターネットで見つけて!即買いしました。20年ぶりの再会、時代の不思議を感じます。
このアルバムのタイトル曲「 夢物語 La Voglia Di Sognare 」この曲だけでもいいからききたくてずっとほしかったのです。「幻の日々」という邦題もある名曲ですが、原曲はカンツォーネでイタリア語です。
今は亡き名シャンソン歌手、 嶋保子 さんのお店にこのレコードがあってカセットに録音したものを持っていたのですが、当時この曲とテープにはまっていた僕は、札幌銀巴里に松宮一葉さんが出演するときき、仕事の合間に走って聴きに行きました。想像していた歌い方とちがっていて、エキゾチックで日本人離れしているような、、などと思いながら感激したものです。
夢物語をはじめ、このアルバムの半分以上におよぶ曲を、ご自分で苦労して訳詩をされて歌う、シャンソンシンガーのエネルギーと創造力はすごいものです。
そして、このLPで共演しているのはすばらしいジャズピアニストの岩崎大輔 さん。松宮さんの息づかいに寄りそう美しいピアノの音色にイントロからやられました、録音の空気感もすばらしい名演です。かなわぬ夢が、いつのまにか心にしみてきます。
楽器
26. YAMAHA FG-240 (1973)
【 ヤマハ フォークギター FG-240 】
出た―、ピアノを始める前、中学校時代に弾き始めたフォークギター。兄貴のおさがりである。
残念ながらレッドラベルではない。
'60〜'70年代、この時代の日本の楽器づくりは、ギターに限らずほんとうにすばらしい。世界に負けないものをつくるぞ、という職人(クラフトマン)の気概というか執念というようなものを感じる。
手作り感、そして高価な楽器でなくても手抜きをせずに丁寧に作られている感じがするのだ。ヤマハのギターはガットも持っているが、音程もいまだにしっかりしてる。
ずいぶん乱暴に扱ったこともあったけど、丈夫だなと思う。木が乾燥してくると音はよくなる。いったいいつがその楽器のベストなのかよくわからないけど、40年たったなんて信じられないけど、よく鳴っている。柔らかい音であまりハキハキ前に出る楽器ではないけどね。今でもよく弾いています。
Jazz
LPレコード
25. Live At The Village Vangard / John Coltrane (1961 米 インパルス)
【 ライブ・アット・ザ・ビレッジバンガード / ジョン・コルトレーン 】
最近の若手ミュージシャンはちがうかもしれないが、自分がジャズ聴き始めのころ、誰しもコルトレーンを一度通るというかハマる時期があった。
日本のライブシーンでも、モードジャズの研究期、きっとその精神性を含めた影響力が絶大だったからだろう。
そして神様みたいに感じるひとも多かったこのジャズの巨人は、実はとても人間的でとてもフツーの人だったらしい。ナイーブで、なかなか自信もなかったらしい。例にもれず、自分も高校時代にハマり、モードジャズがよくわからないまま、ジャズに近づきたくて朝から晩までコルトレーンを聴いて何かを考えていたときがあった。コルトレーンってなんだか魔法のように哲学的なものを与えられている気がして、人間って何かなあ、と足りない頭で考えながら音の洪水を浴びているという感じだった。
このレコードは、伝説のコルトレーン4(カルテット、マッコイタイナー(p)ジミーギャリソン(b)エルビンジョーンズ(ds) が固まって間もないころのライブ盤。そしてライブには、なんとエリックドルフィー(bcl) がゲスト参加してるのが貴重。
この後に出る「Impression」「Live At Birdland」 (←写真小)の2枚のライブ盤もすばらしく、そしてあの 「至上の愛〜Love Supreme」 へと怒涛のようになだれ込みます。
Musette
French
CD
24. Accordion Paris vol.1〜vol.5 / Paris Musette vol.1〜vol.3
【 アコーディオンパリ 1〜5 / パリミュゼット 1〜3 】
1920〜30年代 、フランスで隆盛を誇った ミュゼット音楽 。SP(78回転)レコードに録音された数々の名演の復刻版が全5枚。
中古品をさがして、やっと全部集めました。ミュゼットはもとは、バグパイプのような管楽器で演奏されていたフランスの民謡ですが、イタリアから入ってきたアコーディオンで演奏されてダンス音楽として大流行しました。
エミール・ヴァシェ からトニー・ミュレナ まで、キラ星のごとく名アコ―ディオニストの往年の名演が並びます。哀愁帯びたメロディと、パリの街の喧騒が浮かぶようなコントラストがなんともいえません。泣けます。
のちに、ジャズやジプシー音楽、タンゴともかかわりを深めていきます。
←そして、1990代 、ミュゼットに新しい息吹が吹き込まれました。
「Paris Musette vol.1〜vol.3」
演奏のレベルも非常に高く、これぞハキハキした現代のパリの音という感じでしょうか。
アコーディオン弾きが演奏するジャンルは、クラシックからシャンソン、タンゴ、ジャズ、チャマメ、ザディコ、テックスメックス、ロシアや東欧のダンス音楽、世界の様々な民族音楽、、、実に幅広いです。
フレンチミュゼットは、そのもっとも人気があり代表的なもののひとつです。
Jazz
LPレコード
23. Smokin' At The Half Note / Wynton Kelly Trio & Wes Montgomery (1965
米 バーブ)
【 ハーフノートの夜 / ウィントン・ケリー・トリオ & ウェス・モンゴメリー 】
’60年代、ニューヨークの少し辺ぴなところ、ハドソン川沿いに 「Half Note(ハーフノート)」 というジャズクラブがにぎわっていた。
大好きなピアニスト、 ウィントン・ケリー (p)は、ハーフノートでたくさんの演奏を残している。
バド・パウエル一辺倒から世界に唯一の自分流の節回しをあみだした大好きなピアノ。
当時、マイルス・デイビスバンドのリズムセクションをつとめて、とてもノってるケリーと、ゲスト参加の ウェス・モンゴメリー の進境めざましいギターが聴ける(Liveは2曲)。
トリオのみのハーフノートでのライブ演奏のCDもザナドゥレコードから出ていて、ケリーはこちらがおすすめ。
ニューヨークのハーフノートでは他に、リー・コニッツ(as) や、ズート・シムス(ts) 、ジョン・コルトレーン(ts) のライブ盤がある。
僕が毎晩演奏する札幌のハーフノート の壁にはこのジャケットが飾ってある、ここでケリーが演奏したらどんなだろうか。。
Jazz
Blues
LPレコード
22. Jazz Heritage Series/Jay Mcshan 1941〜1943 (米 MCA)
【 ジャズ ヘリテージ シリーズ / ジェイ・マクシャン 】
「カンサス・シティの侍たち」 という本当にワクワクするすばらしい映画があった。カンサスには独自の文化があった。
あまり流行にとらわれない、リズムを重視したジャズやブルースがあった。
泥臭く、土地の誇りも感じられる。カンサスのピアニストといえば カウント・ベイシー と、このひと ジェイ・マクシャン 。
映画でもすでにそうだが、歳とるほどに飾り気なく素朴なブルースピアノを弾いていたが、このレコードはマクシャンがビッグバンドを率いていた頃のものだ。
B面ではNYに進出した華々しい時代だ。ジャンプ!ジャイブ!かと思ったら、思いのほか上品で美しいジャズブルースなので驚いた。物足りないくらいだけど、でもやはりカンサスの匂いです。
そしてこのレコードでは何と若き チャーリー・パーカー (as) のスウィングスタイルの演奏が聞けます。パーカーはカンサス出身だった。こういうところに根っこがあって、ビ・バップの新しいブルースを作っていったんだなあ。
Jazz
LPレコード
21.Holiday Soul / Bobby Timmons (1965 米プレスティッジ)
【 ホリデイ ソウル / ボビー・ティモンズ 】
ジャズメッセンジャーズの「モーニン」などで一世を風靡したファンキーピアニスト、ボビー・ティモンズ 。
独特の演歌のコブシみたいなまねできないジャズの節回しと空気。自分にとっては、ずっとこだわりがあり「こんなふうにまっ黒なピアノを弾きたい」といつも思っていたもんだった。
ボビーティモンズを研究すると、ノリノリとかファンキーなんて言葉でくくれない深さに仰天する。
バド・パウエル なしには語れないし、アートテイタム を聴いている錯覚に陥ることもある。すごく端正なピアノだ。
コマーシャルな音楽から程遠い印象があるボビー・ティモンズだが、晩年はけっこうB・バカラックとか映画音楽にもチャレンジしている。これはなんとホリデイ = 年の瀬アルバム なのだ。クリスマスソング や、「蛍の光」 まで演奏している。でも、演奏は泥臭い超一級のジャズで、クリスマスのアルバムとしても大好きな一枚。ラストの 「You're All I Want For Christmas」 は泣ける(マライアキャリーのとは異曲)。
Jazz
LPレコード
20. The Divine Sarah / Sarah Vaughan (1946〜1947 米Musicraft)
【 デヴァイン サラ / サラ・ボーン 】
実際に会うとあまりにこじんまり可愛らしい大歌手 サラ・ボーン 。これはデビューの録音です。
自分が20歳くらいだったか、サラ・ボーンが「枯葉」というすごいアルバムを出した(原題はちがう、パブロレコード)。チャーリー・パーカーのように歌うやつだ。
その翌年だったと思うが、来日し札幌公演を見に行った。圧倒的なすばらしいコンサートが終わって楽屋からバスに乗り込むところを待ち構えて、握手してサインをもらった。身長2.5メートル体重200kgはあるんだろう(あるわけないって)、とその大きなステージに圧倒されていたから、実際に会うとあまりに小さくて「プリティ」なので驚いた。ていねいで字がきれいだった。
サラのデビュー曲はビ・バップを切り拓いていた当時新進タッド・ダメロンの「If You Could See Me Now」。この器楽的な曲でダメロンのバンドでデビューってところがすごいと思い聴いてみたかった。バックはバド・パウエル (p)やケニー・クラーク (ds)だよ。
日々、新しいジャズが次々生まれていた感動的な時代の様子がつまっています。
オーディオ
19. JBL4425 (オーディオスピーカー)
ズタ袋ひとつで家出したとき、最初に友達の家の物置から仕入れてきた家具はステレオだった。
昔、街にはたくさんのジャズ喫茶があった。今はジャズ喫茶はなかなか商売になりづらいといわれる。それは、レコード(CD)が簡単に手に入るようになり、よい音のステレオ(Hi-Fi装置といった)も手軽に買えるようになったかららしい。ジャズ喫茶は自分にはあこがれの場所だった。家で聴いてるのとまるで違う音に聴こえる。おれはニューヨークにいるのかな、ほんとのジャズってこうかな。あやしい雰囲気にものまれていたんだろうが。高校時代、もらった昼のパン代節約して帰りにジャズ喫茶に行ったこともしょっちゅうある。そしてチェックしておいた聴きたいレコードを一枚だけリクエストして何時間もねばった。
自分はまったくオーディオファンではない。詳しくもないし、凝らない(資金もないしね)。でも、ジャズ喫茶でしか見る=聴くことができなかった大きなJBLとかアルティックなんてメーカーにはあこがれていた。たしかにベースの音ブンブン、シンバルレガート鋭く、すごい音に聴こえたんだから。遠く届かないだろうと思っていたあこがれのJBL。実は、家を出て数年後に親爺と和解したとき、オーディオきちがいの親爺からプレゼントしてもらったものである(「音楽で食べていくならいい音で聴かなければならん」とかいってた。)。とても大事にしてる。
Jazz
LPレコード
18. ON STAGE / Louis Armstrong (1937〜1954 伊JAZZLIVE海賊盤)
【 オンステージ / ルイ・アームストロング 】
このレコードはジャズの神様"サッチモ"こと ルイ・アームストロング (tp) のエアチェックや海賊ライブ録音を集めたものです。
海賊オムニバスとはいえ、アール・ハインズ (p) ジャック・ティーガーデン (tb)に シドニー・カトレット (ds)を加えたバンドや、バーニー・ビガード (cl) トラミー・ヤング (tb)との'50年代における再会セッションやら、すごいメンバーです。
サッチモはジャズの創生期からジャズを作ってきた。初期の「ホット・ファイブ」「ホット・セブン」のレコード('20年代後半)は、最先端のジャズを厳しく模索する現代のバンドと同じ、ハングリーでシリアスな雰囲気がある。このアルバムは、音楽が軌道に乗り自分の新たな役割に気づきそれをはじめた〜世界を幸せにしはじめた、ひとつの絶頂期。自信にみちている。
しかし実は、僕がこのレコードを何だか特別に思っている本当の理由はジャケットの写真です。
世界中に生きるすばらしさ楽しさ、幸福というものを、ジャズを通して届け続けたサッチモ。ふと「そういえば笑っていないサッチモ、こんなに厳しい表情のサッチモの写真は見たことがない!」と思いました。
どうでしょうか?
少し拡大したので見てみてね→
Jazz
LPレコード & CD
17. At The Cafe Bohemia / Kenny Dorham (1956 米ブルーノート)
【 アット ザ カフェ ボヘミア / ケニー・ドーハム 】
マイルスやガレスピーほど目立たないけれど最高のバップトランペッター、ケニー・ドーハム 率いる「ジャズプロフェッツ」 に ケニー・バレル のギターを迎えた古きアメリカの熱い夜空を飛べるライブレコード。
ジャズにかけて邁進続けるドーハム以下、J.R.モンテローズ (ts) 若手の ボビー・ティモンズ (p) サム・ジョーンズ (b) の突っ走る演奏がもくもくと続く。B面の2曲目で突然「次はちょっと軽い演奏で”ニューヨークの秋”です」というドーハムの声!予想の声とはちがいましたがしびれました(アホ)。
そして、しばらくたってから何と!ケニ−・ドーハムのヴォーカルアルバム があるということを知りました。即買いしました。世間の評判は、、悪いです。いいんだもん、アメリカのビジネスについても考えさせられる。
この「カフェ・ボヘミア」のライブ、ちなみにCDではこの夜の演奏を網羅した2枚組が出ています(即買いしました)。僕はケニー・ドーハムの作曲がすごく好きだ。「MONACO」「MEXICO
CITY」などエキゾチックな名曲ぞろいです(一番好きなのは「マタドール」かな)。
This Is The Moment! / Kenny Dorhem Sings
And Plays
←ケニー・ドーハム唯一のヴォーカルアルバム 。
Jazz
Gospel
LPレコード
16. FINE ARABIAN STUFF / Fats Waller(1939 米デラックス〜ミューズ)
【 ファイン アラビアン スタッフ / ファッツ・ウォーラー 】
ストライドピアノの神様、大酒飲みのエンターテイナー、トーマス・"ファッツ"・ウォーラー の楽しい演奏は大好きだ。
いつも文句なしにスウィングするテクニックとスピード感は圧倒的ですばらしい。
ハメを外し気味のことも多い豪快なファッツ(太っちょという意味)だが、ソロの時はピアノの音色の美しさに気づく。
また目立たないがしんみりしたバラードもよく歌って、恋するものの悲しさやエンターテイナーの孤独などを考えさせられはっとする。
ファッツのレコードはたくさんも持ってるけど、このレコードはしんみり系満載で自分のソロ伴奏の歌が聴ける異色かもしれない。ちょっとアルバムタイトルの意味(Arabian)が分からないのだけど、演奏している曲は黒人霊歌や古いフォークソングで、ときどき教会にいるような気分になる。そしてB面は、全編オルガン演奏と歌だ、何とこっちのほうがスウィングしてるけどね。
アメリカの黒人がたくさん来る教会では、指を鳴らしたり足を踏んですごいスウィング!するらしいよ。
神様の前だと、静かにしていないとならないのかと思ってたら、ぜんぜんちがうんだ。生きる喜びは、誰でも自由に表現していいんだ。
Pop
LPレコード
15. PROMISE / SADE (1985 蘭CBS)
【 プロミス / シャーディー 】
これは流行ったな、なつかしい。POPSだけど、色気たっぷりのサックスとジャジーなアレンジで、SADE(シャーディー) というアフリカ人のミステリアスなヴォイスとミックスされて、当時はとても斬新だったのだろう。
洋楽としてアメリカ追従っぽくないところもよかった。
当時プレイボーイクラブ札幌のハウスバンドをやっていた自分は、金髪のたくさんのシンガーのバッキングを務める毎日だった。シンセサイザーなるものも弾き始めていて、このアルバムを有名にした「スムース・オペレーター」という曲をシンセを使ったトリオで、譜面を起こして演奏しなければならなかった。
当時片思いをしていたひとがこのレコードを持っているのを知り、借りたのだった。もう、あの娘がこのジャケットをこのビニール袋を(山野楽器と書いてあった)さわったと思うと、胸が熱くなり(アホ)簡単にさわれなかった(アホアホ)、その盤は聖なるモノだった(アホアホアホ)。それでこのコーナーに登場したわけ、チャンチャン 。
Jazz
LPレコード
14. Saturday Morning / Sonny Criss (1975 米ザナドゥ)
【 サタデーモーニング / ソニー・クリス 】
ジャズを聴きはじめのころハマッたレコード、アルトサックスだ。冒頭の「Angel Eyes」 を聴いてひっくり返ってしまった。
その当時、クリス自身の内面の叫びとともに「現代の景色・苦悩」というものが表現されているな、と感じた。ブルージーとはこういうことだ、と思ったものだ。
パーカーと同時代から活躍していた ソニー・クリス は'60年代後半からは精神不安定だったらしく、とても頑張ってボランティアの仕事をしたり子供に音楽を教えたりしながら、やっと吹き込んだこのレコードは”カムバック”盤とされていた。
見事な集中力とテクニック。「Tin Tin Deo」 もすばらしい。このあと何枚かレコードがでた。
でも、僕が高校3年のある日新聞を読んでいて小さな記事に目を疑った。「米ジャズアルトサックス奏者ソニー・クリス銃自殺!」ほんとうにショックで、また何度も何度も聴いた。ブルースです。
譜面
13. JAZZ8/JAZZ (海賊版譜面)
ジャズやり始めの頃は、今のようにそんなに譜面が出ていなかった。
色んな曲を覚えるのに「この曲のコードや歌詞は、どうなっているんだろう?」と、皆色んなところから写し写ししたもんだった。
金がないから、友達と2人1組で楽譜コーナーで1人が「コードネーム」読み上げて、もう1人がそれを、メモするなんてこともやった。
1人のときは、立ち読みで数小節暗記して、トイレに駆け込みそれを書きとめる、、、(不審な客だ、、!)。
この楽譜は、そんな貧乏ミュージシャンがよだれをたらして欲しがった、「著作権フリー」海賊版のアメリカポピュラーソング楽譜集です。先輩から頂きました、ボロボロです。一冊に300〜400曲載ってる。今でも、曲も本も、キラキラ宝石のように輝いている。
Jazz
Classic
LPレコード
12. The Art Tatum Solo Masterpieces (1950年代前半 米パブロ)
【 ソロ マスターピーシズ / アート・テイタム 】
これは2まんいぇんしました!!(死ぬかと思ったー。)なぜって、特別手に入らないわけではありません、たんに13枚組 LPだからです。ピアノの神様アート・テイタム が晩年、ノーマン・グランツの企画でパブロ(当時はヴァーヴ)に残したソロピアノの全録音です。
すべてワンテイクで録るのは、当時のジャズではあたりまえだが、録音月日などみると「いったい一日何曲録ったんだー?」、すごい数です。すごいエネルギーだ。若い頃のテイタムが大好きだが、晩年のテイタムは前進をやめていない!何か、現代音楽を示唆するような難しい調性のフレーズがあちこちに。ジャズ・ピアニストのバイブルだな。
こういう箱ものレコードは、高くてなかなか買うのに勇気がいるが、宝物になる。ついでに
Shelf にあるとっておきの箱ものを紹介しちゃおう!ピアノとは何かを教えてくれるような↓
RUBINSTEIN plays CHOPIN (RCAレコード)
←こちらは12枚組 、ルービンシュタイン が弾くショパン集です。
すごすぎる!なんでこんなピアノの音がするんだ。ショパンの伝記を読んだ。ショパンの生演奏はもう聴けないけれど、やさしく,繊細で,情熱的で,ちょっと女々しい,ショパンのピアノの音はこんな音だったのでは?伝記で読んだ風景を一番浮かび上がらせてくれたのはルビンシュタインだ。バラでも箱でもCDになって手に入れることができます。
楽器
11. Ken's Accordion Model-308 (伊 Exelsior社)
【 エキセルシャーアコーディオン 308 (41鍵120ベース) 】
たまにアコーディオンをライブで演奏します。これは最初に手に入れた古いアコーディオンです。日本が誇るバップピアニスト、アコーディオニスト福居良さんから譲っていただきました。イタリア「エキセルシャー」社のもので、相当古いものと思われます。
レコーディングで一度使ったことがありますが、真剣にやろうとすればピアノの片手間に出来るような、ナマやさしいものではなく、奥の深い楽器です。でも誰でもすぐに音が出せる身近な楽器です。アコーディオンの正体は「ハーモニカ」です。息を送るかわりに蛇腹を押したり引いたりして、感情をこめることができる。
写真右手の黒丸ボタンは120個あって、ベース音と、和音が鳴ります(伴奏用)。音色は数種類出せます、違うチューニングのハーモニカが何本も入ってるってわけです。シャンソン、ミュゼット音楽などでは、鍵盤のほうもボタンになってるものが主流で、歴史的にも古くからあります。
Jazz
LPレコード
10. Standards,Vol 1/Keith Jarrett ('83 独ECM)
【 スタンダーズ vol.1 / キース・ジャレット 】
僕がまだ生意気だったころ(笑)、このレコードが出たときは、結構ミュージシャンの間では衝撃が走りました。それまでソロ・ピアノの活動をずっと続けていた キース・ジャレット が突然ピアノトリオで(トリオアルバムはあります)スタンダード曲を演奏したのです。
衝撃というのは、そのことではなくその演奏の中味でした。「これだ、これだよ、新しいピアノトリオの形は」「何をやりたいのかわからなかったけど、これ、こういうふうにやりたかったんだ」などという仲間続出でした。キースがリーダーに僕は聞えるが、中身は3者対等で、完全即興の緊張感はすごい(楽しそうだけど)。
ビル・エヴァンスのトリオのやり方と変わらないのに斬新だったのは、今になって、キース、ゲイリー・ピーコック (ベース)、ジャック・デジョネット (ドラムス)のそれぞれの個人的音楽性が1+1+1になってるだけのことと思える。3人とも音色が透き通ってるところが好き。デジョネットの叩くシンバルのメーカーはどここかを調べたっけなー。スネアドラムも「木の音」がします
Jazz
Vocal
LPレコード
9. Lee Wiley Sings Youmans & Berlin (1951 米コロンビア)
【 シングス ユーマンズ&バーリン / リー・ワイリー 】
ジャケット気に入ってレコードやCD買ったことが、誰でもあるでしょう。LP時代はジャケットも大きかったから、部屋の壁に飾ってもヘンな絵を掛けるよりずっといいっていう楽しみもあった。ジャズ喫茶も今や「只今演奏中」のディスクがCDの場合、小さくて遠くからじゃまるでわからなくなってしまったなー。
白人ヴォーカリスト、リー・ワイリー のこのアルバムジャケットは、ロートレックの絵のようです。
彼女のアルバムで有名なのは、この姉妹版ともいえる「ナイト・イン・マンハッタン 」です。マンハッタンは伴奏の ボビー・ハケット のコルネットのほうが泣ける名盤ですが、このヴィンセント・ユーマンスとアーヴィンング・バーリンの名曲集は、ピアノの伴奏(スタン・ホープ、サイ・ウォルター)だけのシンプルなアルバム。
ジャケット見ながら聴くと、昔のアメリカを飛んでるみたい気分になる(ロートレックはフランスだっちゅーの)。オープニングは「2人でお茶を」だ。
←これが有名なほうの
Night In Manhattan/Lee Wiley(米コロンビア)
Jazz
LPレコード
8. Dodo Marmarosa Dail Masters (1947 米Dail)
【 ダイアルマスターズ / ドド・ママローサ 】
自分にとっては「謎のピアニスト」、 ドド・ママローサ 。まず名前が謎(笑)。
でもドドは、ビ・バップが興った’40年代後半は引っ張りダコの大ピアニストだった。チャーリー・パーカー、デクスター・ゴードン、ワーデル・グレイなど当時第一線のミュージシャンの歴史的レコーディングに沢山参加している。
なのに、ピアノのスタイルはビ・バップという感じでもないのだ。ちょっともたもたした感じがするけど、とても自分流で、そこが大好き。
「DeepPurple」などのスローバラードも泣かせる。
これは、西海岸のマイナーレーベルDIAL に吹きこんだ数少ないリーダーアルバムのひとつ。ゴリゴリしているが、とてもロマンチストだと思う。このあと、突如隠遁し、’60年代初めに復活し入魂悲哀のピアノ(”Dodo’s
Back”やジアモンズとの共演)を聴かせるが、また行方知れずになった。
パンフ
7. Porgy & Bess (1934 GERSHWIN)
【 ポギーとベス / ガーシュイン 】
これは、レコードではありません。大大好きなガーシュウィンのオペラ 「ポギーとベス」 のパンフレット。
はじめてオペラと言うものを見て興奮したのはこれですが、音楽は、ジャズミュージシャンもたくさん取り上げていて、でてくる曲はみんな大好きで知ってた。何でこういう色の強い曲が書けるんだろう?ガーシュイン自身は、自分は作曲家として2流だと思ってたらしく、ラヴェルなんかにレッスンを依頼して「君は偉大だよ、教えることなんてない」と断られたとか。アメリカがヨーロッパ音楽に強く影響を与えた初めての作曲家が自分だなんて、
ガーシュウィンは毛頭思っていなかったらしい。南部の黒人の庶民を描いたってことも、当時としては画期的だっただろう。自分のライブではこのオペラは何度もとりあげてきました。
2010年、自分のコンサートでついに念願だった 「ポギーとベス」 組曲(全15曲)を、6人のバンドにアレンジして演奏しました。
http://ken-toyoguchi.com/archives/pianomagic/20101010epoa_flyer.jpg
Blues
LPレコード
6. Blow A Fuse/Earl Bostic (1950 年代前半 英 Charly Records)
【 ブロウ ア フューズ / アール・ボスティック 】
アール・ボスティック といえば「R&B」のレッテルを貼られているアルトサックス奏者だが、その経歴や彼のバンドから巣立ったミュージシャンを調べると、御当地じゃこれもジャズの“王道“なんだろう。
これを買ったきっかけだったような気がするが、若き日のジョン・コルトレーン (彼のファーストレコーディング? ’52年)はじめ、ジミー・コブ 、ジャッキ・バイアド 、バーニー・ケッセル など、後にジャズ界を背負ってゆくミュージシャンの名が続々クレジットされているのだ。
みんなやっぱり「ブルース」を通ったんだ!ノリノリ、アーシーです!
Jazz
LPレコード & CD
5. 'Round Midnight/Miles Davis (1955米 コロンビア)
【 ラウンドミッドナイト / マイルス・デイビス 】
はじめて買ったジャズのレコード。レコード屋に行って「ウッドベースが入っててジャズっぽいジャケットのヤツ」ってコレを選んだ(笑)。
初めジャズもよくわからないときは、 マイルス・デイビス (tp)なんて知らんかったが、多分にもれずこの後マイルスにのめり込む。
実は、この世にも有名な「NewMiles Davis Qintet = ジョン・コルトレーン (ts) レッド・ガーランド (p) ポール・チェンバース (b) フィリー・ジョー・ジョーンズ (ds)」は、ライブ盤がなくいつも嘆いていたもんさ。
そしたら稚内に仕事で行った時、、、札幌にもよく来てくださる沢田さんというハンパじゃないMILES研究家の方にお会いした。同じレコードでもジャケット違い国違い印刷違いなんかも全部持ってる完全マイルスコレクター。
Ken 「いいバンドですよね。ライブの音源ってどっかにあるんでしょうね。
ずっと探してるんだけど」
沢田 「エアチェックの海賊盤ウチにあるよ、、」
Ken えっ?!!「ホント?!!」
沢田 「音は悪いけど」
Ken ホントニアルノカ?!「今度絶対聴かせて!」
沢田 「ほらこれさ、あげるよ」
Ken えっ?!「ワ、ワルイヨ〜」
沢田 「あげるって」
Ken 「あ、わわわ、もう出発の時間が、、、、いただきます、シャーナラー」
コレクターの方というのはスゴイです、のめりこんでます。
もらっちゃいました。これです!沢田さんありがとう!
←自慢のCD
The MILES DAVIS QUINTET at PEACOCK
ALLEY
JULY 14 & 21, 1956 St.Louis
格調高いスタジオ録音とは全然ちがう「火の玉クインテット」が聴けます。
レパートリーはスタジオ盤とほぼ同じですが、ピアノトリオの演奏をインターバルにはさんだりして興味深い。通にはSPIDER
BURKSという名物司会者も聞き物らしい。
CD屋で見たことないけど、インターネットではアメリカだけど見つける事が出来るよ。あるとこにはある。むこうでは超一流、日本では無名のミュージシャンってのもよくあるね。
Folk
LPレコード
4. 古井戸ライブ (1973 エレック)
いきなり番外編っぽいですが、これは僕がミュージシャンを志したきっかけになったといっても過言ではない大事なレコードです。
世に名盤は数あれど、「コンサートバイザシー」なみの名盤です。
ジャケット左に見えますは、札幌の生んだ超ヴォーカリストの 加奈崎芳太郎 (HP 、毎年共演してます!)、右は当時憧れの28万円のギブソンのギターを弾く(チャボこと) 仲井戸麗市 。
当時中学生の僕は、「人は真剣に愛さなくてはならない」ことを、こんな唄達から学びました。毎日毎日ギターと歌を練習したなぁ。いつのまにジャズになったって?それは、機会をあらためまして、、。
音楽のアイデアや工夫が、くらくらするほど研ぎ澄まされていて、そしてロマンチック、それは当時のフォークの中でも傑出していた。あらゆるジャンルの音楽が聴こえてくるような多彩なコードワーク。そして本当に感じている心だけでもっていく、その心を忘れない。今でも自分の音楽のバイブル。
Jazz
LPレコード
3. Other Voices / Erroll Garner (1957 米コロンビア)
【 アザ―ヴォイス / エロール・ガーナ― 】
大大好きなアメリカの人気ピアニスト、 エロル・ガーナー がはじめてオーケストラと共演した作品。
エロルは、日本での人気は今ひとつだけど、アメリカやヨーロッパではジャズファン以外からも絶大な人気者だった。
いつも自分の弾き方をしているガーナー。マネごとがウケないジャズの国ではミュージシャンからもとても尊敬されている。スタイリストはイミテイトされるものだが、ガーナ―のまねしようとしてもできない「そんなふうには弾けないよー」といわれるそれほど唯一無二のスタイルだ。
そして、とても心がこもっている。ピアノが息をしてしゃべっている。
このアルバムはいわゆるストリングスものと違い、ミッチー・ミラー管弦楽団との「格闘」といった趣だけど、あの粗放なタッチ(フツーに言うとキタナイ音)のフレーズからこぼれる芳醇なロマンチシズム、、いつもやられる、不思議だ。たまりません。名曲「Misty」も入ってるが、他のオリジナルもいい。ジャケットがまたいいんだ。ずっと手に入らないようだ、、。
Jazz
LPレコード
2. Charlie Christian Memorial Album (1940前後 米コロンビア)
【 メモリアルアルバム / チャーリー・クリスチャン 】
これは、ジャズを聴き始めの頃、楽器もまだギターばかり弾いてた頃にお年玉を温存して買ったジャズギターの3枚組レコード。フレーズをコピーしましたがむずかしくてギターではできなかった。。
ジャズギターの開祖 チャーリー・クリスチャン は今も一番好きなジャズ・ギタリストかな。スウィング全盛期に登場し、数年間の活動しただけで夭折。
「ギターの役割をそれまでのリズム楽器から、アドリブを聴かせるソロ楽器に変えた」と云われています。クリスチャンの太い音はジャズの花形楽器のトランペットと対等に渡り合う。
アコースティックな音が好きな自分ですが、むかしのアンプを通したピッキングの音色がモゥ恍惚なのです。
録音はほとんど ベニー・グッドマン (cl)コンボのものだが、テディ・ウィルソン (p)をはじめスイング・ジャズのスター達の大共演が聴ける。カーネギーホールのライブ演奏のレコードもある。
Jazz
Blues
LPレコード
1.The Bessie Smith Story (1923〜1933 米コロンビア)
【 ベッシー・スミス ストーリー 】
これぞジャズの原点、ブルースとジャズの分岐点、ジャズヴォーカルのバイブル。
このレコードは4枚シリーズで、ジャケットの色が、 ピンク → 緑 → オレンジ と変わっていくのだが(写真はvol.1)、3枚目まで買ったところでCD時代が押し寄せ、モタモタしてるうちにvol.4は買いそびれてしまった。バリバリに突っ張ってた、若き日の
ルイ・アームストロング のコルネットとの共演がすごい。
若き日のビリー・ホリデイ (vo)は、悲しい仕事場で毎日この時代のベッシーを聴きながら暮らしていたらしい。
ちなみに札幌のインディーズシーンを支えるすばらしい音楽ホール「Bessi Hall 」は、この”ブルースの皇后” ベッシー・スミス から来ています。ホールの前身となった「Bessie」という酒場があり、’30年代に飛んでいけるようなアップライトピアノがありました。